「争族」は他人事ではない

 「争族」という言葉をご存じでしょうか?

 

相続が起きた際に、「遺産をめぐって争う親族のこと」又は「遺産をめぐる親族間の争いそのもの」を意味します。

「相続」をもじった造語です。

以前は仲の良かった家族が、家長の死をきっかけに遺産を巡って険悪になり、裁判沙汰にまで発展する・・・。

—あらそうしんぞく— 耳障りのいいワードではないですね。

この「争族」という造語、決してワイドショーだけの話ではありません。

近年、調停に持ち込まれる遺産分割に関する件数は右肩上がりと言われています。

 

「争族」が一般家庭で急増

 

[出典]日本経済新聞「相続争い、一般家庭で急増 遺言や贈与対策が不足」

 

なぜこのようにトラブルの増加が著しいのでしょうか。

理由は様々なことが考えられます。

一昔前はその家の長男が家督と共に財産もすべて貰う」という考え方がありました。

家を継ぎ、墓を守り、家業を引き継ぐ。

これがまかり通って当然のこととされていた時代がありました。

しかし時代の流れと共に価値観も変化し、今や現代の一般常識とは大きく隔たりがあります。

もちろん、法律上も特定の人間がすべての財産を取得することを認めてはいません

 

「遺産を貰う権利が法律上認められている」と聞けば、少しでも多く欲しいと思うでしょう。

・家を継ぐから多めにほしい
・親の老後を看るから多めにほしい
・子供(孫)が多いから多めにほしい
・学費の負担をかけさせなかったから多めにほしい

このように、兄弟間・親族間でもそれぞれの主張がでてきます。

生活や環境が異なるからこそ、それぞれの立場があるからです。

またそのほかの理由に、長引く不況や税制改正なども影響があるのかもしれません。

 

この「争族」問題に関して、何かしらの対策を講じていますか?とお尋ねするとします。

大半の方がこう答えるでしょう。

「うちの家族は仲がいいから大丈夫」
「喧嘩になるほど財産はないから大丈夫」

実は財産が少ないほどもめる統計が出ています。

 

遺産が少ないほどもめる場合が多い

 

”司法統計年報「遺産分割事件のうち認容・調停成立件数」”より

 

これは調停に持ち込まれた「争族」にかかる遺産総額別の内訳です。

これによると財産が5千万円以下でトラブルになるケースがほとんどです。

1千万円以下で3割を占めるという結果に。

 

遺産をめぐる争いは一部の資産家だけの問題で一般家庭では関係がない、というのは大間違いです。

争族」はだれにでも身近に起こりうるものなのです。

 

次回はこの「争族」を防ぐために生前からできる対策をご紹介しようと思います。